ご署名くださった皆様(大学、日本学術会議)、代表です。
先日の日本経済新聞で、奇妙な記事が書かれました。
軍民両用技術で歩み寄り 学術会議が見解、政府は評価
2022年10月28日 5:00 日本経済新聞 [有料会員限定]
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA145U50U2A011C2000000/
>科学者の代表機関、日本学術会議が民生と軍事の両方で使える「デュアルユース」技術の研究を事実上容認する新たな見解をまとめた。これまで軍事研究への反対姿勢を貫いてきたが、一律に制限するのは現実的ではないと判断した。安全保障の面からも推進したい政府と歩み寄った。
>学術会議は7月「従来のようにデュアルユースとそうでないものを単純に二分することは困難」との見解を公表した。「研究対象となる科学技術をその潜在的な転用可能性をもって区別し、扱いを一律に判断することは現実的ではない」と明記した。
>およそ2年を経て学術会議が事実上の容認の姿勢に転じた。ロシアによるウクライナ侵攻など安全保障を巡る環境の変化もあったとみられる。
新見解を政府は好意的に受け止めた。木原誠二官房副長官は「避けて通れない課題に正面から向き合った」と評価した。
ソースは今年7月とありますので、おそらく梶田会長の公式文書です。以下の、7月に報道された読売新聞記事と同種と思われます。
科学者委員会 学術体制分科会 「研究インテグリティ」という考え方の重要性について
令和 4 年 7 月 22 日 日本学術会議会長 梶田隆章
https://www.scj.go.jp/ja/head/pdf/20220722.pdf
学術会議、軍民「両用」技術の研究を容認…「単純に二分するのはもはや困難」
2022/07/27 読売新聞
https://www.yomiuri.co.jp/science/20220726-OYT1T50377/
既に皆様ご承知の通り、当時早速幹部から反論がありました。
日本学術会議 “軍事目的の研究についての立場に変更ない”
2022年7月27日 NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220727/k10013739341000.html
>この説明では、見解の中で純粋な科学研究と軍事に転用が可能な研究について、単純にわけることは難しく、扱いを一律に判断することは現実的ではないという現状の認識を示したが、その認識は以前から公表しているもので変わっていないと説明しました。
>そのうえで、1950年に公表した「戦争を目的とする科学研究は絶対に行わない」という声明について、「当時の声明をわれわれが批判したり否定したりすることはできないと考えている」と話し、軍事目的の研究についての立場に変更はないとしています。
どう読んでも、これをもって、「軍事研究容認」とは読めません。「歩み寄り」など、日本学術会議の組織維持のための方便、二枚舌です。政府・与党は騙されてはなりません。本当に日本学術会議が命乞いをするならば、2017年の軍事研究禁止声明を撤回・改定すべきです。
特に2017年声明で問題点であり、即刻改定・撤回すべき箇所を、当会ホームページに専用のページ「日本学術会議は2017年声明を撤回・改定せよ」を作成しましたので、ご覧ください
http://liberty-and-science.org/scj-withdraw-2017statement
日本学術会議の内実は、当会ホームページ「日本学術会議は果たして軍事研究を認めたのか?」でも書いたのですが、「資金の出所で軍事研究かどうか判断できる」という文言を引っ込め、代わりに「研究インテグリティ」という概念に背乗りする形で珍妙な理屈を加えただけです。何も変わっていません。
http://liberty-and-science.org/permission-military-research
安全保障技術研究推進制度への応募を学術会議が認めたなどという話は、当会スタッフの所属する大学の中でも全く話題になっておらず、相変わらずです。
政府と日本学術会議の双方にどのような思惑があったかは知るすべもありませんが、政府がここでうやむやにして幕引き図ってしまえば、あとは日本学術会議が今まで通りの自己保身に走ります。
政府には、研究者個人が自分の意志で応募できる状況をきちんと確保してほしいです。このような曖昧でいい加減な幕引きをされたのでは、現場の研究者は大迷惑です。
おそらく政府や与党内でも相当頑張ってくださった方々がいると思います。しかし、あえて厳しい事を言わせていただきたいのですが、政府は研究者個人が「自由に応募できる」状況を確認しなければ意味がありません。
また、日本学術会議はもし組織維持のために、たとえ二枚舌であっても、「軍事研究を認めた」と言うなら、誠意を見せるべきです。例の2017年声明は撤廃か改定すべきです
是非とも政府も、志ある政治家さんも、その点をしっかり考え、行動してほしいと考えます。
日本学術会議の担当であった山際経済再生担当相の辞任により日本学術会議の総会が延期になりました。混乱状態ではありますが、まだ「歩み寄り」なるものが確定したわけではありません。今後の動きを注視します。
https://www.scj.go.jp/ja/member/iinkai/kanji/pdf25/siryo332-enki.pdf
長文失礼しました。
本当は色々水面下で動いておりますが、皆様方にご報告できるのはおそらくあともう少々かかるかと思います。
また、動画第8弾を企画制作中です。
末筆で大変恐縮で有り、本当は真っ先に書かねばならないのですが、ウクライナの国民に一日も早い平和と自由がもたらされますよう、ただただ祈るばかりです。
Україна назавжди вільна !
ウクライナは永遠に自由です!
代表
***私たちの仲間にようこそ!心より感謝申し上げます!
2017年2月12日に活動開始いたしまして6年弱が経過しました。
大学署名累計4,695筆(先月9/21配信から2筆追加)、日本学術会議署名で累計5,458筆(前回10/21配信から1筆追加)のご署名がありました。
新規にご署名くださった方々、ありがとうございました。ともに戦ってまいりましょう。今年も増やしてまいります!
①「すべての大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」
https://www.change.org/Daigaku_Bouei_Kenkyu
②「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」
https://www.change.org/Gakujutsukaigi_Bouei_Kenkyu
自由と科学の会 防衛研究の自由を求めます!
ホームページ http://liberty-and-science.org/
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