正鵠を得た憲法の論文 & 反対派の抗議活動

ご署名くださった皆様(大学、日本学術会議)、代表です。

まず冒頭に、元日に発生した能登半島地震の被災者の方々に心よりお見舞い申し上げます。またお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

 用件は2件です。

 1件目。防衛研究と学問の自由について大変正鵠を得た憲法論議をされている先生の論文を発見しましたので皆様方にシェアします。

 

 「学問の自由をめぐる諸問題」 高乗 智之著(国士舘大学法学部法律学科教授)

https://www.jstage.jst.go.jp/article/constitution/54/0/54_49/_article/-char/ja/

https://www.jstage.jst.go.jp/article/constitution/54/0/54_49/_pdf/-char/ja

 オープンアクセスで誰でも読めますので、是非ともお読みになってくださいませ。

 特に4章が大切です。

   4.目に見えない圧力と学問の自由 

     (1)研究者コミュニティと研究者個人の間の対立

 学問の自由をめぐる近年の問題としては(略)「研究者コミュニティ」と研究者個人の間の対立が顕著になっている。

 例えば、日本学術会議は「戦争を目的とする科学研究には絶対に従わない決意の表明(声明)」(昭和25年)をはじめとして、「軍事目的のための科学研究を行わない声明」(昭和42年)、「軍事的安全保障研究に関する声明」(平成29年)を出している。(略)

 特定の方向性を示す声明を日本学術会議が出すことによって、大学や学会が萎縮し、この意向(声明)に配慮して防衛省の研究助成への応募を辞退するケースが有る場合は、個人の研究の自由との間で問題となる。

 本来、学問の自由を支えるはずの研究者コミュニティの自律の表れである上記声明が、研究者個人の研究活動を事実上圧迫しているのが現状である。(略)これは具体的な直接的権利侵害と言うよりも、間接的な「目に見えない圧力」の問題であると言ってよい。

(以上引用)

 この論文は2022年7月に公表されたもののようです。今まで高乗先生を存じ上げなかった非礼を、この場を借りて申し上げます。そして深く感謝申し上げます。

 2件目。我らの敵。反対派の軍学共同反対連絡会がやっと、昨年採択された大学に講義したようです。

 http://no-military-research.jp/wp1/wp-content/uploads/2024/02/NL85.pdf

 熊本大学、北海道大学、北見工業大学、大阪公立大学に抗議したわけですが、大阪公立大学からは黙殺・一蹴されております。

 3大学からは回答がありましたが、どれも木で鼻をくくるようなあしらい方です。

 ニュースレターp.5の 10)北海道大学の再回答 12/14では、皮肉にも日本学術会議が2022年7月25日に発出した「従来のようにデュアルユースとそうでないものを単純に二分するのはもはや困難」という文章を引用してバッサリ斬られています。

 今回は以上になります。

 本日は朝からH3ロケットの打ち上げ中継を見ており、打ち上げ成功を見届けました。まさに宇宙は軍事とは切り離せません。日本の軍民両用の科学技術の大きな一歩を祝福申し上げます。関係者の皆様方のご努力に感謝と御礼申し上げます。

 5/14が締め切りである令和6年度安全保障技術研究推進制度についても応募が自由に増えていくよう、微力ながら活動してまいりたいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。

 また末筆で大変恐縮で有りますが、ウクライナの国民に一日も早い平和と自由がもたらされますよう、ただただ祈るばかりです。

Україна назавжди вільна !

ウクライナは永遠に自由です!

代表

***私たちの仲間にようこそ!心より感謝申し上げます! 

2017年2月12日に活動開始いたしまして7年弱が経過致します。

大学署名累計4,745筆(先々月12/20配信から1筆追加)、日本学術会議署名で累計5,619筆(先々月12/19配信から2筆追加)のご署名がありました。

新規にご署名くださった方々、ありがとうございました。ともに闘ってまいりましょう。今後も増やしてまいります!

①「すべての大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」 

https://www.change.org/Daigaku_Bouei_Kenkyu

②「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」

https://www.change.org/Gakujutsukaigi_Bouei_Kenkyu

自由と科学の会  防衛研究の自由を求めます!

ホームページ  http://liberty-and-science.org/

メール   info★liberty-and-science.org (★を@に変えてください)

YouTube自由と科学の会チャンネル  

https://www.youtube.com/c/LibertyScienceChannel

Twitter  https://twitter.com/YesDefenseStudy

反対派の「軍事研究禁止は公共の福祉により許される」への反論

ご署名くださった皆様(大学、日本学術会議)、代表です。用件は2件です。
冒頭に、沖縄を襲い、九州地方に迫っている台風6号により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。被害のないことを祈ります。

本日8月6日は広島原爆投下の日です。長崎原爆とともに、亡くなられた方々の心よりのご冥福をお祈りします。
緊迫化する国際情勢の中では単なるお祈りではなく、具体的な防衛力・抑止力を維持することで平和が保たれる、それは今や誰の目にも明らかです。今後とも活動して参ります。

用件は2件です。

1件目。「防衛研究禁止は学問の自由侵害」という当会の主張に対し、反論する向きもあったので改めて再反論していきます。

最近色々勉強・理論武装する中で、かつてご紹介した軍学共同反対連絡会の池内了先生が我々を名指しで批判し反論されていたのを思い出したので、遅くなりましたが反論させていただきます。

2:06:30あたりです

【朗報】反対派がシンポジウムで我々を名指し批判
http://liberty-and-science.org/archives/2360

この中で、池内了先生は、我々の「軍事研究禁止は学問の自由侵害である」という主張に対し、憲法12条(公共の福祉)という理屈を用いて反論してきました。
主に3点、①権力の介入 ←繰り返し主張していますが嘘。PD,POは他の研究資金にもいますし、研究費不正利用の監視くらいしかしません,②結果の応用に責任が持てない ←すべての研究活動は軍事利用の危険があり、的外れ ③社会倫理に違反した研究(人体実験、優生学、個人情報濫用)←後述 以上です。

③が今回の本題です。社会倫理に反する、と言うだけで権力者や他人が学問の自由という精神的自由権を奪うことが出来るのか、という事について、弁護士のスタッフと議論し、色々勉強させていただきました。

簡単に説明します。
防衛研究(軍事研究)の禁止は憲法第23条に保障された学問の自由の侵害です。
他者の人権等の法益を侵害するか、その具体的危険性があるなど相当の理由が無ければ禁止される謂れはありません。
「軍事研究は社会倫理的に問題」など曖昧な理由での禁止は許されません。

もちろんすべての研究が自由なわけではありません。「他者の人権等の法益を侵害するか、その具体的危険性がある」とは、池内了先生の述べている人体実験や、安全性の確保できない極めて危険な実験などです。これは研究倫理違反ですし、誰も許容する人はいないでしょう。
しかし防衛装備庁に人体実験やら優生学に関する研究などありません。戦前戦中の731部隊や九州大学米軍捕虜解剖実験と混同しています。
個人情報の濫用については意味不明です。

まるでこの戯画的映像のようなひどい弾圧が防衛研究禁止として行われている

以下、詳述します。 

◆憲法12条による「公共の福祉」で「学問の自由」を制限できるか?
最高裁における、人権を公共の福祉を理由とした制限を行う行為の合憲性・違憲性の判断の基準としては「一元的外在制約説」や「比較衡量」という学説がありましたが現在ははほぼ採用されていません。
基本的に「違憲審査基準」によって行われます。この際は、精神的自由権(学問の自由含む)は経済的自由権や社会権などと比べて重要性が高い(「二重基準論」という)という考えが主流であり、高度で非常に厳しい審査を経なければ軍事研究を理由とした学問の自由侵害は合憲とはみなされない、よってよほどのことがない限り、軍事研究禁止は推定違憲となります。

◆研究倫理で学問の自由を制限できるか?
確かに学問の自由について無制限の自由を認めるべきでないという学説も国内外で広まっています。しかし各種資料を見てみても、それは医療研究・生命科学研究の話です。生命という究極の人権を扱う研究への制限が議論になるのは当然でしょう。
軍事研究については、デュアルユースの問題、またガスマスク、防弾ベストといった純粋に防衛的装備やミサイル防衛や地雷除去といった民間人の生命を守る研究は許されるだろう、など非常に入り組んでおり、精神的自由権である学問の自由を制限するには曖昧過ぎて不十分です。
研究資金の資金元が防衛装備庁ということが、非倫理的とも言えません。あまりに非論理的です。
防衛省自衛隊は悪の組織、受託した大学は悪魔に魂を売った人でしょうか?
「人造人間キカイダー」に出てくる、プロフェッサー・ギル率いる悪の組織ダークじゃないんですから。。。

<参考文献>

【図解あり】「公共の福祉」における学説をわかりやすく解説
https://foetimes.com/316/

二重の基準論とは何か?その意義と根拠、問題点をわかりやすく解説
https://foetimes.com/536/

違憲審査基準とは?厳格審査・中間審査・合理性の審査の違いをわかりやすく解説
https://foetimes.com/751/

「公共の福祉(特に、表現の自由や学問の自由との調整)」に関する基礎的資料 衆議院 基本的人権の保障に関する調査小委員会
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/shukenshi046.pdf/$File/shukenshi046.pdf

2件目。K-プログラム(経済安全保障重要技術育成プログラム)に今度はJAMSTECが採用されました

JSTのホームページにてリリースされていましたが、「無人機技術を用いた効率的かつ機動的な自律型無人探査機(AUV)による海洋観測・調査システムの構築」および)「先端センシング技術を用いた海面から海底に至る海洋の鉛直断面の常時継続的な観測・調査・モニタリングシステムの開発」に今度はJAMSTEC(海洋研究開発機構)が採用されました。

https://www.jst.go.jp/pr/info/info1631/pdf/info1631.pdf

今後は大学の採択も発表されてくると思います。期待します。

また、8月中に令和5年度の安全保障技術研究推進制度の採択発表があるはずです。これが重要です。しっかりウォッチしたいと思います。

用件は以上です。猛暑の中、熱中症にお気をつけて、皆様方ご自愛ください。

 末筆で大変恐縮で有り、本当は真っ先に書かねばならないのですが、ウクライナの国民に一日も早い平和と自由がもたらされますよう、ただただ祈るばかりです。

Україна назавжди вільна !

ウクライナは永遠に自由です!

代表

***私たちの仲間にようこそ!心より感謝申し上げます! 

2017年2月12日に活動開始いたしまして6年半以上が経過致します。

大学署名累計4,717筆(前回7/17配信から1筆追加)、日本学術会議署名で累計5,566筆(5/10から1筆 追加)のご署名がありました。

新規にご署名くださった方々、ありがとうございました。ともに闘ってまいりましょう。今後も増やしてまいります!

①「すべての大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」 

https://www.change.org/Daigaku_Bouei_Kenkyu

②「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」

https://www.change.org/Gakujutsukaigi_Bouei_Kenkyu

自由と科学の会  防衛研究の自由を求めます!

ホームページ  http://liberty-and-science.org/

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