日本学術会議宛の公開質問状(2021年1月)

日本学術会議宛の質問状を、井上信治・内閣府特命担当大臣(科学技術政策担当)および、武田博史・防衛装備庁長官あてに、挨拶文を添付してご送付いたしました。(2021.2.1)

日本学術会議が4月に総会を開き、今後の組織のあり方等について決議を取るそうです。それに合わせて、当会は日本学術会議・梶田会長様宛に、挨拶状および11問からなる公開質問状を送付しました。また並行して、約200名の日本学術会議会員様にもメールでお知らせします。

回答期限を誠に勝手ながら2月末日とさせていただきました。

回答の有無、及び内容はホームページでの公開のみならず、83の国公立大学学長様宛、および10,000名以上の教員の先生方にもお知らせする予定でございます。

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(2021.1.20投函、2021.1.22到着)  ホームページ公開 2021.1.22

挨拶状

令和3年1月吉日

日本学術会議

会長 梶田隆章 様

自由と科学の会

代表 ●●●●

 謹啓 大寒の候、貴会議には益々ご隆盛の段、拝察申し上げます。貴会議の昨今の新型コロナウイルスに関するご提言、ならびにこれまでの我が国の科学技術と学術への貢献に心より敬意を表します。

 ご挨拶が遅れましたが会長御就任おめでとうございます。

また、日本学術会議の会員任命拒否をめぐる問題は報道等で存じ上げております。ご着任早々の御心労とご苦労、お察し申し上げます

私どもは「自由と科学の会」(旧:防衛研究推進を求める自由市民の会)と申します。前任の山極前会長様にも署名簿(資料.14参照)・意見書を郵送させていただき、貴会議の会議でも山極前会長様はじめ科学者委員会の皆様方にご高覧賜りました。(資料.1 のp.5-l.18)

ちなみに資料.16は各大学宛の署名簿です。こちらもご覧いただければ幸いです。

我々の活動目的はただ一つ。貴会議に「軍事研究禁止声明の撤廃をし、代わりに全大学に対し『軍事研究』を研究者各人の自由に任せる勧告」を出していただく事です。

またこの度ご挨拶状と質問状を送付したことは、貴会議会員の先生方にもメールで告知しております。

貴会議が2017年に発した「軍事的安全保障研究に関する声明」(以下「2017年声明」と表記)のおかげで、現場研究者は大迷惑と抑圧を受けております。事実、何人かの工学系研究者から私どもに、貴会議から出された声明によって、研究が阻害されているという意見が寄せられています。(資料.8、資料.9をご参照ください)

 2017年声明は後半部分では「審査制度を設けるべきである」という、安全保障技術研究推進制度への慎重な対応を求めるように玉虫色の逃げ道をつくっておりますが、実際には前半部分で「上記2つの(1950年、1967年)『戦争目的の科学研究は絶対に行わない』旨の声明を継承する」「軍事的安全保障研究は学術の健全な発展と緊張関係にある」と、事実上、各大学に応募させないよう圧力をかけたと受け止められる内容になっています。

 また安全保障技術研究推進制度の趣旨を理解せずに、「政府による活動への介入が強まる」「政府による研究への介入」など、事実とは異なるレッテル貼りをしています。(資料.10のp.5~p7,p11 参照)

貴会議の声明の成果は覿面で、応募は激減し、大学からの応募は激減しました。(資料3.のp.6-l.26およびp.7-l.9参照)

また、数多くの大学が問題の多い「軍事的安全保障的研究」に対する審査制度を導入しました。(資料4. のp.4-l.11参照)

貴会議が資料7.のp.3-l.4にて定義される軍事的安全保障的研究の中には、「研究成果が軍事利用される可能性のある研究」というのも含まれています。この定義によれば、工学系どころか文系含む全ての研究が軍事的安全保障研究に該当します。まさか全ての研究について、軍事利用される可能性があるから審査制度によって差し止めたり、研究内容を変更させたりすることはないと考えます。そうなりますと、「軍事利用される可能性」というものをどのように評価すべきであるか?という点が問題になります。この定義を明確にしないと、却って研究活動の自由を損ない、新規技術の芽をつみ取ってしまう危険性があります。しかしその定義を目に見える形で明確化することは至難の技でもあります。このように研究活動の自由や次世代イノベーションを棄損する危険性がありながら、このような審査制度を声明の中に盛り込むというのは、些か拙速に過ぎるのではないかと愚考する次第です。

ある情報では、軍事的安全保障研究に関する声明は、理屈など後付けでいいから、とにかく防衛省の研究さえ潰せればいい、だって自衛隊が嫌いだから。そんな声が内部からあったと、聞き及んでおります。

当会は、貴会議には、真に「学問の自由」とは何か、回帰してほしいと願っております。貴会議は、真に学問と真理を愛し、社会に役立ちたいと願っている人たちだと信じております。しかし、このような所業を、「平和」の名のもとに断行することが信じられません。

確かに菅内閣と政府による貴会議会員の任命拒否問題や、日本学術会議法の唐突な法解釈変更や菅首相の説明は、非常に疑問符のつくものであります。そして貴会議は,任命拒否問題を学問の自由の危機だと懸念されておられます。であるならば、なお一層、貴会議はご自身の「軍事的安全保障研究に関する声明」を総括し改めたうえで、政府に対し堂々と異議申し立てをするべきなのです。

学問の自由の大切さは貴会議が一番よくご存じのはずです。

しかるに、貴会議は軍事的安全保障研究というレッテル貼りを勝手にし、審査制度(つまり大学による研究者への介入)を推奨しています。また、現在進んではいないようですが、貴会議主導の統一的な審査制度ガイドラインの策定も進めようとされています。疑いようもなく、これは学問の自由侵害であり、矛盾としか思えません。

科学技術の軍事利用は確かに深刻な問題であります。だからこそ、ワッセナーアレンジメントやオーストラリアグループ、生物兵器禁止条約といった、各種の国際法や国際管理レジームが整備され、兵器製造に役立つ技術やノウハウが紛争当事国などに拡散することを防いでいます。一方、学術研究の場においては,その成果は学術論文という形で公表され、それらは世界中で共有されます。その論文で公表された知見には軍事利用できるものも含まれているでしょう。ですが、たとえ研究資金の出所を選別したとしても、学術論文で公表された研究成果が軍事利用され得ることは避けられないでしょうか。それに加えて、軍事に利用できるからといって、個々の大学教員に対する研究内容の審査することは、研究者の自由な発想を阻害し、学問の自由の侵害にもなり得る行為です。他の自由民主主義国家ではありえないことです。

貴会議はれっきとした政府機関です。政府には第三者による監視、透明性、公開性が不可欠です。また、貴会議は国会と違い、一般国民どころか一般の教員による審判もうけていません。コ・オプテーション制度による、上層部の身内からの推薦で人事をたらい回しにしている状況です。

貴会議から表明された、防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度に対して「声明」は、北海道大学において、研究途中で辞退させる結果を招きました。このように国内の大学に応募しないように、事実上圧力をかける一方で、中国「千人計画」における知的財産権の問題や北朝鮮等への軍事転用可能な科学技術流出に関して、懸念の声明を表明しないのは片手落ちではないでしょうか?また、貴会議が直接関与された訳ではありませんが、大学への自衛官入学拒否は、戦後、日本の大学が行った人権侵害の問題であり、正に学術会議が正すように各大学に呼びかけるべきであったと思います。こうした問題を直視することなく、政府を非難する資格が貴会議にありますでしょうか?貴会議に自浄能力はないのでしょうか?

「軍事研究禁止声明」で影響を受けているのは主に工学部系教員です。そして率先して軍事研究禁止を推進しているのは文系など他学部の会員の先生方が多いように思えます。「軍事研究禁止声明」を進める上で、以下のような事は考えたことございませんでしょうか?

もし今、権威ある団体の先生方が、自分たちの気にくわない研究を禁止(もしくは強制)することを許容するならば、権威になびく風土・文化が醸成され、文系や他学部の先生方自身が、将来政府やその他権威に屈し、ご自分たちの学問を禁止・強制される事に繋がるのではないのか?と。

また、少数派の意見は聞かなくても良いのでしょうか?もしそうお考えなら、貴会議は即刻、多様性なる看板を下ろすべきです。

戦争は確かに悪です。しかし人間が感情や欠陥を併せ持つ不完全な存在である以上、犯罪やイジメと同様、根絶は困難です。戦争の抑止と根絶のためには、研究者を鎖で縛ることではなく、社会と人間の心を徹底的に知ること、そして多様性を認め、そして許すことです。

貴会議が忌避される武器開発を禁止すれば平和が訪れるのでしょうか?私どもは否と考えます。2020年6月には中国・インド国境紛争が起き、双方が棍棒・投石で殴り合い、多数の死傷者を出しました。このように、原始的な武器であっても紛争は防げないし、また原因は科学技術ではなく、政治的、つまり人間の心の起こすものだというのがわかります。

貴会議の2017年声明の前半部分で、「軍事への協力は絶対にしないという1950年声明および軍事目的のための科学研究を行わないという1967年声明の2つの声明を継承する」という旨が書かれております。

真に科学技術の戦争協力を防ぐならば、近年の米中対立、経済安全保障問題、中国や北朝鮮などの軍拡、世界の不安定化を踏まえ、我が国の安全保障輸出管理や外為法のみならず、ワッセナーアレンジメント等の国際的枠組みと連動すべきと考えます。

もちろん日本政府も科学技術の技術流出防止の強化に乗り出しています。

しかし貴会議の2017年声明を拝読しますと、安全保障技術研究推進のみ槍玉に挙げていますが、デュアルユースに軽く触れた以外は、上記の国内外の情勢は全く踏まえていません。現実の国内外の情勢に全く触れていない姿勢は、貴会議の唱える真理の探究とはそぐわないものと考えます。

前置きが長くなりましたが、以下質問状を同封いたします。大変ご多忙の中、また無礼な質問であることは重々承知しておりますが、学問の自由という、貴会議の存立に係る問題です。どうかご議論を重ねられ、真摯なご回答をご期待申し上げております。

最後に、梶田会長様はじめ、貴会議の皆様方の益々のご活躍とご健康をご祈念申し上げます。コロナウイルスの感染が心配されますが、どうかご健康にご留意くださいませ。

敬白

令和3年1月吉日

日本学術会議御中

自由と科学の会

質問状

納税者たる国民の権利として、政府機関たる貴会議に対し、質問を11点行わせていただきます。2月末日までに回答して頂けることを希望致します。別記住所まで、書面で頂きたく存じます。

またご回答頂けなかった場合でも、この質問状ならびにご返答内容は当会ホームページ・SNS等で公開するのみならず、83の国公立大学への書面、並びに10,000名以上の同教員の先生方へのメールで広報させていただきます。

(既に2018年10月、2019年8月、および2020年8月に、国公立大学83校の学長様宛に意見書・署名簿及び、先生方10,000名以上にメールをしております。)

http://liberty-and-science.org/letter-2020-8/  当会ホームページ参照

◆質問1. 一部大学による自衛官の大学・大学院への入学拒否事件がマスコミ等で明るみになりました。詳細は別添資料11に記載してございます。

これは平和に名を借りた人権蹂躙です。また、これは貴会議が1950年に発した「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」旨の声明(以下「1950年声明」と表記)、1967年の「軍事目的のための科学研究を行わない声明」(以下「1967年声明」と表記)を背景にして起きた事件です。

上記、貴会議として、どのように総括・反省をなさりますか?

◆質問2. 貴会議の元会員や元連携会員が中国の人材招聘計画「千人計画」に応じ研究に手を貸した事実が明らかになりました(資料.12および資料.13をご参照ください)。特に「千人計画」では知的財産権の扱いが米国や豪州で問題になっており、軍民融合を公称する中国で研究することはかの国の軍事研究に手を貸したことと同義と考えます。貴会議の1950年声明、1967年声明、そして2017年声明に明確に違反しています。

貴会議の元会員や元連携会員が貴会議の声明に違反したことについて、どのように総括・反省をなさりますか?

また、貴会議の1950年声明、1967年声明、2017年声明の軍事研究禁止の声明との矛盾点をどう説明なさいますか?

◆質問3.  貴会議の2017年声明では「大学等の各研究機関は、施設・情報・知的財産等の管理責任を有し、国内外に開かれた自由な研究・教育環境を維持する責任を負う」と明記されています。

 上記質問2.に関係してきますが、「国内外に開かれた自由な研究・教育環境」が、皮肉にも貴会議声明に反して、研究者の野放図な海外流出に何らの警鐘も鳴らさず、中国の軍事研究に間接的に手を貸したと考えらえます。外国人留学生への差別は決して許されませんが、野放図な外国への軍事技術流出も同時に警戒せねばならないはずです。

 資料.3 のp.12-l.21には確かに「大学等における安全保障貿易管理はどうあるべきか」という項目があり、一応触れてはいますが、明らかに不十分であり、想定すらしていないように受け取れます。

貴会議は、「国内外に開かれた自由な研究・教育環境」と、外国への軍事技術流出防止との矛盾やバランスについては、今後どう取り組まれますか?

また、今後政府方針と連動して、この文言の削除・修正を行い、整合性を図るお考えはありますか?

◆質問4.  貴会議の資料.2、資料.3、資料.4を拝読させていただきました。中には2017年の声明で書かれた「安全保障技術研究推進が政府の介入を招く」という貴会議の主張への、ある学協会からの反論(資料.2のp.34-l.17 およびp.34-l.23)がありました。当会が資料10. p.5~7およびp.11で訴えている事とほぼ同じです。この意見でも見抜かれたとおり、貴会議の「安全保障技術研究推進制度は政府の介入を招く」というのは、虚偽または事実誤認です。

上記、貴会議として、以上について、どう反論なさいますか?

◆質問5. 貴会議は2017年声明で各大学に対し、「軍事的安全保障研究と見なされる可能性のある研究について、その適切性を目的・方法・応用の妥当性の観点から技術的・倫理的に審査する制度を設けるべきである」と宣言しております。

 2017年声明の一文には「学術研究がとりわけ政治権力によって制約されたり動員されたりすることがあるという歴史的な経験を踏まえて、研究の自主性・自律性、そしてとくに研究成果の公開性が担保されなければならない」という記述があります。

 貴会議こそ上記の「政治権力」であり、各大学にその片棒を担がせている張本人ではないでしょうか?「研究の自主性・自律性」を棄損し束縛しているのは他でもない、貴会議ではないでしょうか?

 当会では資料.10のp.12~p.18でも指摘しておりますが、権威ある団体の先生方が、自分たちの気にくわない研究を禁止(もしくは強制)することを今許容するならば、権威になびく風土・文化は醸成され、文系や他学部の先生方自身が、将来政府やその他権威に屈し、ご自分たちの学問を禁止・強制される事に繋がるのです。それを止めるには、今、ご自分たちの行いを振り返り、自らストップをかけることです。

 審査の恣意性の恐れや中立性・基準の公開性・正当性に疑問符のつく審査制度は大学に要求すべきではありません。

上記を踏まえ、審査制度導入を大学に要求する正当な理由をお示しください。

◆質問6. 貴会議の2017年声明の効果は覿面で、資料.3のp.6-l.26やp.7-l.9にも記載してありますが、多くの大学で『自発的に』防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度への応募を禁止にさせられました。これについては、資料.8のp.1~3、資料.9をご覧ください。

 かなり生々しく、現場の先生方の悲痛な声が聞こえてきます。

 また貴会議の発した文章でも、資料.4 のp.41-l.16およびp.68-l.28に現場からは疑問の声が上がっています。

 貴会議が発した声明が、一部とはいえ、工学部系の現場の教員の先生方を苦しめています。これは氷山の一角で、その何十倍、あるいは何百倍もの先生方が、研究活動に支障をきたしています。どうかこの現状を知ってください。

 当会には他にも、大学での地位が危なくなるため、公開はできませんが、直接メッセージを下さった先生方、署名をしてくださった先生方が沢山います。文系の先生方も含めたら少数の先生方ではありますが、軽々しくお考えにならないでください。

上記を踏まえ、貴会議のお考えをお示しください。

◆質問7. 貴会議の資料.2、資料.3、資料.4を拝読させていただきました。その中には、貴会議が提唱する「軍事的目的とみなされる研究」の定義・基準が曖昧という意見がありました。資料2.のp.34-l.12や資料4.のp.33-l.5をご参照ください。

 曖昧な基準を大学現場に押し付け、徒に混乱を招いている事が同資料から感じ取れました。資料7.のp.3-l.4には、一応基準らしきものも見つけられました。

 2) 軍事的安全保障研究に含まれうるのは、ア)軍事利用を直接に研究目的とする研究、イ)研究資金の出所が軍事関連機関である研究、ウ)研究成果が軍事的に利用される可能性のある研究、等である。

ア)は資料10.のp.27~28で当会が主張しているとおり、大学での研究はTRL1~3程度の基礎研究であり、民生利用とも軍事利用とも、役立たずかもわからないレベルですので安全保障技術研究推進制度は該当しません。

イ)については、資金の出所、いわゆる「入口規制」ですが、資料10.の p.12、p.14、p.15にあるとおり、文科省や経産省の研究を軍事利用される危険性も十分ありますので、全く的外れとしか言えません。

ウ)については、どのような研究も、文系すら(歴史学、経済学、心理学や言語学すら)も軍事利用の可能性がある以上、全ての研究が対象になります。

上記について、貴会議として、どのように反論なさいますか?

◆質問8. 貴会議の2017年声明の前半部分で、「『軍事への協力は絶対にしない』という1950年声明、同じ文言を含む『軍事目的のための科学研究を行わない』という1967年声明を継承する」と書かれております。

真に科学技術の戦争協力を防ぐならば、近年の米中対立、経済安全保障問題、中国や北朝鮮などの軍拡、世界の不安定化を踏まえ、我が国の安全保障輸出管理や外為法のみならず、ワッセナーアレンジメント等の国際的枠組みと連動すべきと考えます。

 貴会議の「軍事への協力は絶対にしない」姿勢は大変素晴らしいものです。

 であるならば、なお一層、時代に連動し、昭和20年で時間が止まったような、日本国内しか通用しないガラパゴス的平和論に引きこもらず、絶えず声明をアップデートするべきと考えます。それが貴会議の言う「科学者コミュニティ」のあり方ではないでしょうか?

上記、当会の意見に対し、貴会議のご見解をお聞かせください。

◆質問9. 「当会の意見」にもある通り、学問の自由を最大限に認めたうえで、ワッセナーアレンジメントなどの国際管理レジームとリンクさせ、諸外国と協調したうえで技術管理をしていくべきだというのが当会の考えです。それと併せ、以上の質問1~6や、学問の自由という人権問題、また国際情勢等に鑑みて、貴会議は熟慮を重ねるべきです。そのうえで「軍事的安全保障研究に関する声明」を撤廃・修正し、安全保障技術研究推進制度への応募については研究者個人の自由に任せ、国際管理レジームに連動させていくべきというのが当会の主張です。

上記、ご異論はありますか?あるならばご反論ください。

◆質問10. 貴会議が2017年声明を採択するにあたっては、なぜか総会の決議を経ずに、幹事会で秘密裏に決定しました。総会での紛糾を恐れたから、という一部報道もあります。

 また信じたくないのですが、ある情報では、「日本学術会議内部では、防衛装備庁の研究さえ潰せれば、理屈はどうでもいいのだ」という乱暴な意見があり、強引に決議したという事です。それが真実であれば、どんでもない暴論です。

 資料.17にある通り、「安全保障と学術に関する検討委員会」元委員の小松利光氏の証言を信じるならば、滅茶苦茶で強引な結論を拙速に出された、そう思わざるを得ません。

なぜ貴会議は総会の決議を経ず、幹事会で秘密裏に決定したのでしょうか?

特に工学部系教員の意見を聞き、十二分な議論を経たのでしょうか?

また、安全保障技術研究推進制度の当事者は主に工学部系教員です。なぜ部外者の文系の先生方が多数を占める「安全保障と学術に関する検討委員会」で勝手に決めたのでしょうか?

上記について、貴会議の回答をお願いいたします。

◆質問11.  今年4月に貴会議では総会を招集し、日本学術会議の組織の在り方についての政府からの提言を受け、方針を決定するということを伺いました。

一部報道では、政府与党政治家が日本学術会議の組織再編について、安全保障技術研究推進制度への2017年声明を関連付けたと報じられました。

 貴会議としては、政府に毅然とした態度を取ってほしいと切望しております。

 であるならば、2017年声明の問題は議論を避けられないと考えます。

上記、4月招集予定の総会で、先述の質問1.~10.への回答事項を含めた2017年声明の見直しを議題に挙げるご予定はありますか?

無いのであるならば、正当な理由をお示しください。

質問は以上です。ご回答の期限は誠に勝手ながら、2月末日とさせていただきます。下記住所まで、書面で頂きたく存じます。

貴会議が改めて議論を重ねられ、会員の皆様方が正しいと信じるのであれば、政府や世論など気にせず、貴会議の信じる正義を貫き通してください。貴会議のお考えを尊重いたします。

真に学問の自由を求める人たちの集まりであり、我が国のアカデミアの憧れであるような、輝かしい日本学術会議であることを、心より望みます。

最後に。私は、貴会議の皆様方と、対立ではなく真の友人として結びつきたい、そう願っております。長文、そして無礼な文章をご容赦くださいませ。

以上

◆添付資料

・資料.1 日本学術会議・科学者 委員会( 24期 ・ 第8回 議事 要旨 (抜粋)(元ソース)

・資料.2 日本学術会議「軍事的安全保障研究に関する声明」についてのアンケート結果報告(抜粋) (元ソース)

・資料.3 安全保障と学術に関する検討委員会(声明)「軍事的安全保障研究に関する声明」インパクト・レポート(改訂版)(抜粋)  (元ソース)

・資料.4 報告「軍事的安全保障研究に関する声明」への研究機関・学協会の対応と論点(抜粋) (元ソース)

・資料.5 軍事的安全保障研究に関する検討について:日本学術会議公式サイト (元ソース)

・資料.6 科学者委員会:日本学術会議公式サイト (元ソース)

・資料.7 報告「軍事的安全保障研究について」(抜粋) (元ソース)

・資料.8 当会ホームページ 「教員先生方の声・被害事例」

・資料.9  当会ホームページ 「ご声援のメッセージ」

・資料.10 当会ホームページ 「当会の意見」

・資料.11 当会ホームページ 「自衛官入学拒否問題」

・資料.12 「【独自】中国「千人計画」に日本人、政府が規制強化へ…研究者44人を確認」(読売新聞 2021年1月1日)

・資料.13 当会ホームページ メディア掲載(1)  読売新聞 2020年5月の経済安全保障の一連の連載他

・資料.14 当会署名簿「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」

・資料.15 「軍事的安全保障研究に関する声明」 (元ソース)

・資料.16 当会署名簿「すべての大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」

・資料.17 「[語る]新年展望<11>安保研究 学者の良識で…日本工学会副会長 小松利光氏 72」(読売新聞 2021年1月16日)