当会の主張(活動綱領)

最終更新日: 5月 24, 2022 @ 6:07 PM

自由と科学の会 綱領

自由と科学の会は,「自由と平和」を究極の目的とし,以下の5点の具体的行動指針をもって,幅広く自由闊達な議論,問いかけ,その他問題提起を行い続ける  

(令和元年9月15日制定)(令和2年7月1日 第1回目改定)

1.  大学研究者本人の学問の自由が最大限尊重される国を目指し,国家,大学,日本学術会議をはじめとするあらゆる権力による学問・研究への禁止・強制その他介入行為に対し,異議の声を挙げ続ける.

2. 日本国の防衛力を高め,抑止力を維持し紛争を未然に防止し続けること,科学技術の発展を絶えることなく続けることは日本国民のみならず,諸外国国民の生命・平和と繁栄を守る道であり,大学研究者が安全保障技術研究推進制度,科研費,その他の研究助成金に自由に応募することで,我が国の科学技術の発展と抑止力向上に貢献するものであると強く主張し,理解を求める.

3. 科学者の使命は,人類世界の平和と発展に資する学術研究を行うことである.非人道的,非合法,著しく危険などの例外を除きありとあらゆる研究・学問は自由に行われるべきであり,「軍事研究の恐れ」という恣意的・曖昧な基準で研究の芽を摘むことは,日本の科学技術に致命的な衰退をもたらすことであると,強く警鐘を鳴らし続ける.

4. 科学技術の野放図な軍事目的の拡散には反対する.昨今の経済安全保障をめぐる我が国や世界の情勢,他国による軍民融合政策・研究者や軍事転用可能な先端技術の流出などの情勢に鑑み,大量破壊兵器(核拡散防止条約や化学兵器禁止条約等),通常兵器(ワッセナー・アレンジメント等)などを対象とした安全保障貿易管理の国際的枠組みの観点から軍拡抑止のより一層の多角的な議論を求める.

5. 以上4点の主張の是非も含めて,ありとあらゆる人たちと自由闊達に議論を進めていきたい.日本学術会議,各大学内部でも自由闊達な議論を進めてもらうように訴え続ける.自由闊達な議論こそが,民主主義の源であり,様々な美名に名を借りた人権弾圧を炙り出し,真の自由と平和へと通じる道だと信じ,闘い続ける.

以上

確認事項 学問の自由について

国会議員による追及など、日本学術会議の闇が暴かれ、解体や軍事研究禁止声明の撤回などに繋がるのは大変好ましいことです。

しかし気になる事もあります。SNSでの発言をする方に、「中国の軍事研究は認めて、日本の国防の研究に協力しない大学は科研費を止めろ」のような、少々過激な発言をされる方も散見されます。必要以上に大学や研究者を攻撃しかねない発言は、反対派に我々への攻撃の口実を与え、利する可能性があります。

当会としては、「政府・日本学術会議・大学などによる、いかなる権力による研究の禁止・介入・検閲も、そして研究協力への強制もゆるさない。人体実験など明らかな研究倫理違反でない限り、研究者個々人の自由意思に基づいて研究がされるべき」というスタンスを堅持したいと思います。研究者個々人の自由意思を最大限尊重、それが「学問の自由」です。

ただし、当会としては以下も考えます「防衛研究への応募を認めないなど、学問の自由を侵害する大学には、何らかのペナルティが与えられてしかるべきではないか」そう主張もしていきたいと思います。

またその美しい理想が、武器を手に現在のウクライナで通用するかという問題はさておき、一科学者として苦悩や逡巡を抱かれるのは、個々人の範囲(日本学術会議や大学という組織的圧力でなく)にとどまる限り、私は「自分の研究を軍事利用したくない」と防衛装備庁研究を拒否する先生方のご意見も十二分に尊重したいと思います。

皆様方の自由な主義主張や議論は、大いにしてほしいと思います。その中で、世論を高め、大学の防衛研究の自由化を勝ち取りたいと思いますので、今後ともご協力のほどよろしくお願いいたします。(2022.5.24)