政府が来年の国会で秘密特許制度の導入を目指す & 防衛装備庁・鈴木敦夫長官様に署名簿・挨拶状をご送付

ご署名下さった皆様方、コロナウイルスの感染急拡大とオリンピックというなかなか忙しい状況ですが、いかがお過ごしでしょうか。

1件目。政府が来年の国会で秘密特許制度の導入を含めた法案を提出予定です。

今回の配信では、先日の報道で政府が来年の国会に提出を目指している「経済安全保障一括法案」及び「秘密特許」について、当会の意見を述べたいと思います。
以下、一昨日の報道です。


経済安保、一括法制定へ 半導体など供給網も強化―来年の国会提出で調整・政府
2021年07月28日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072700776&g=pol

政府が安全保障上重要な産業や技術への監督を強化するため、「経済安全保障一括法」の制定に向け調整に入ったことが27日、分かった。外国資本による国内企業への出資を規制する外為法を軸に、放送、航空など個別業種に関連する法律の外資対応などを集約する。半導体をはじめとする戦略4品目の供給網(サプライチェーン)強化策なども盛り込む方針。来年の通常国会への法案提出を目指す。

新型コロナウイルス感染拡大や米国と中国の覇権争いで戦略技術やインフラの重要性が増す中、一括法で省庁連携を強化し、技術や情報の流出防止につなげる。

一括法は、外資による重要企業への1%以上の出資を事前審査する外為法を基盤とする方向で、内閣官房が原案策定を開始。外為法を所管する財務、経済産業両省のほか、個別企業を監督する総務、国土交通、金融など各省庁も協議に加わる。放送や通信、銀行などへの外資の出資やシステム整備を、経済安全保障の視点で監督できる仕組みを整える。

また、感染拡大やデジタル化、脱炭素化の進展などを踏まえ、半導体と電気自動車(EV)用先端電池、レアアース(希土類)、医薬品の4品目を重要物資として指定。同盟・友好国からの調達強化を支援する措置を検討する。軍事転用可能な高度技術の特許出願を一定期間非公開にできる「秘密特許」制度も盛り込む意向だ。


以上の報道を踏まえ、政府が制定しようとしている「秘密特許」について、現状を説明します。

秘密特許とは、多くの国(G20では日本とメキシコ以外)で軍事に関する特許を非公開にする制度です。
「公開代償の原則」により、出願されれば公開が原則の特許ですが、多くの諸外国では、軍事に関する特許は非公開になっています。大別して①特許付与型、②審査凍結型の二種類があります。
また多くの国では、特許は①第一国出願義務、②外国出願制限を設け、特許は自国へ優先的に出願し、外国への特許申請については制限を設けている例が多いです。
TRIPS協定という特許に関する国際条約でも、「軍事・安全保障に関する特許は例外とする」という項目があります。

現在日本では、防衛産業の取得した特許も無造作に公開されており、例えば三菱重工業が開発した対潜水艦魚雷投下装置の特許資料もだれでも閲覧できる状態です。


https://www.j-platpat.inpit.go.jp/c1800/PU/JP-2008-209076/B71B4078E0F5C404B0CE707906B57DB0D9C1FB97E72C772BB512CDA1C87109C0/11/ja

秘密特許制度の導入について、当会の見解を述べます。

・安全保障技術研究推進制度についてはTRL1~3程度の基礎的な研究が主体であり、影響はさほど大きくないと思われるが、例えば防衛産業との産学連携研究では関係してくる可能性がある。
・経済安全保障や兵器転用可能な先端技術流出防止は世界的な潮流であり、今年6月のG7サミットでも議題に上った。令和3年度の通商白書、骨太の方針でも明記している。政府も諸外国と連携する必要がある。(文部科学省の科学技術イノベーション白書ではなぜか経済安全保障などについて明記されず)
・しかし、デメリットとして、大学研究者や企業のイノベーション低下の恐れがある。公開制限や特許取得の制限を加える以上、研究者や企業には政府はきちんとした補償をするが必要がある。
・当該技術だけでなく、周辺の技術にも軍事技術という指定がされ、秘密特許が広がる恐れがある。
・何をもって軍事技術とするかの判断基準の明確化や、きちんとした有識者によって判定する(不服申し立てや、有識者の氏名を場合により開示するなど透明性の確保なども併せて)など、慎重で綿密な制度設計を行う必要がある。
・野放図な我が国からの軍事転用可能な技術流出を防ぐことと、イノベーションの芽を摘まない事とのバランスを考え、慎重な制度設計と運用が必要。

当会としては、秘密特許についてはイノベーション阻害とのバランスを考え政府に慎重な運用を求めつつ、導入を進めてほしいと思います。

また、特に反対派はこの秘密特許制度を、安全保障技術研究推進制度に絡め、絶対反対を主張してくると思います。
しかし、反対派は、我が国からの軍事技術の拡散を許容するのか?できないでしょう?ならば我々と同じく、秘密特許制度の導入に賛成すべきだと考えます。
 
【日本人が知らない、日本製品が「無断で軍事転用されている」大問題  ドローン時代の兵器に起きている変化  部谷 直亮】
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85589

上記の記事を読むまでもなく、既に昔の日本メーカーの工作機械や光学機器の不正輸出やイラン、北朝鮮などへの軍事転用は起こっていますが、今でも現在進行形で日本の技術が軍事利用されています。特許とは少し離れますが、こうした現実を我々も国民も、反対派もよく見るべきです。

長文になりましたが、皆様方も以下資料にお目通し下さり、各自でご意見をお持ちくだされば幸いです。

2件目。本日防衛装備庁・鈴木敦夫長官様に署名簿・挨拶状をご送付いたしました。来週早々に先方に到着の予定です。
また改めて発表します。

コロナウイルス感染急拡大が止まりません。非常に心配ですが、重々気を付けられ、お体ご自愛下さい。

代表


<<参考資料>>
・経済安保、一括法制定へ 半導体など供給網も強化―来年の国会提出で調整・政府 2021年07月28日
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021072700776&g=pol

・日本人が知らない、日本製品が「無断で軍事転用されている」大問題  ドローン時代の兵器に起きている変化  部谷 直亮
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/85589

・特許庁
https://www.jpo.go.jp/index.html

・特許検索 J-PlatPat
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/

・産業技術力強化法(日本版バイドール法)
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=412AC0000000044

・TRIPS協定
https://www.jpo.go.jp/system/laws/gaikoku/trips/index.html

・防衛装備庁 安全保障技術研究推進制度 委託契約事務処理要領
https://www.mod.go.jp/atla/funding/jimu/r03jimuyouryou.pdf

・特許制度に基づく技術情報の公開による大量破壊兵器の拡散リスク CISTEC(安全保障貿易情報センター)
https://www.cistec.or.jp/service/daigaku/data/1411-01_tokusyuu02.pdf

・秘密特許制度 – 東京大学公共政策大学院 知的財産政策 第7回 日本大学・加藤 浩教授
http://www.pp.u-tokyo.ac.jp/wp-content/uploads/2020/05/8e2be5151a6472d1e4c7b19909f4d071.pdf

・「秘密特許制度」の論点 経済安保の実効性見極めを Sankei Biz
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210603/mca2106030604001-n1.htm

・「秘密特許制度」の論点 経済安保の実効性見極めを Sankei Biz
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/210407/mca2104070609003-n1.htm

・韓国の核実験に用いられた日本の技術、「秘密特許制度」の制定を
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/66019

・特許法を改正し、秘密特許制度を復活させると共に、重要特許は我が国を第1国出願とする制度を創設すべき!(日本弁理士政治連盟フォーラム)
https://www.benseiren.gr.jp/news/2019/10/2.html

・秘密特許制度やめよ しんぶん赤旗
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik21/2021-05-21/2021052104_04_1.html

・科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか(池内了著)
https://www.amazon.co.jp/dp/4622088142

***私たちの仲間にようこそ!心より感謝申し上げます! 

2017年2月12日に活動開始しまして4年半が過ぎました。
大学署名累計4,541筆(前回7/18配信から3筆追加)、日本学術会議署名で累計5,223筆(前回7/18配信から2筆追加)のご署名がありました。
(※7/29配信時は故益川敏英先生の訃報という緊急配信であり、新規署名者カウントは7/18から行います)

新規にご署名くださった方々、ありがとうございました。ともに戦ってまいりましょう。今年も増やしてまいります!

※途中辞退者(署名趣旨間違い、身バレ困る等の諸事情により申し出あった方々)を除く
今までも、大学関係者など(同姓同名もあるでしょうけれど)数多くのご署名をいただき、本当に感謝しております。

当方では皆様方のメールアドレスは管理しておりません。この一斉送信だけが皆様方との絆です。
ご意見などありましたら、お気軽にメールをください。

***2大署名を今後ともよろしくお願いいたします

①「すべての大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」  
http://chng.it/66tVw6rZ
②「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」  
http://chng.it/cSJq7nbq

他の署名への署名・拡散のご協力もお願いいたします。
Twitter
https://mobile.twitter.com/YesDefenseStudy

自由と科学の会  防衛研究の自由を求めます!
http://liberty-and-science.org/

YouTube自由と科学の会チャンネル開設!チャンネル登録よろしくお願いします!
適宜動画を追加していきます!(現在4本目製作中!)
https://www.youtube.com/channel/UC2q3rtWkehBBcJ4tZzfzQJA

「シリーズ第1回 日本の大学で武器の研究をしているの?」
https://www.youtube.com/watch?v=3iGpiNDiJc0
「シリーズ第2回 身近にある軍事技術」
https://www.youtube.com/watch?v=3myXOPKUkeU
「シリーズ第3回 大学から軍事研究禁止させられた先生方の体験談」
https://www.youtube.com/watch?v=2EMrzhDeF78

賛助会員募集中!現在30名様ご登録!(目標100名様)Paypalで月々200円!現在赤字での活動にどうかご支援を!
http://liberty-and-science.org/fund/

ご提言・情報・ご意見・アイデア・取材依頼などは、お気軽に下記のアドレスまでメールください。今後の運動の参考にさせていただく場合もございます。
特に大学関係者の方からのご意見や、安全保障技術研究推進制度にまつわる体験談などをお待ちしております。
メール info★liberty-and-science.org (★を@に変えてください)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA