東京新聞は財務省「研究の選択と集中」を支持するのか?  & 大学送付延期のお知らせ

賛同して下さった皆様方(日本学術会議署名、国公立大学署名)防衛研究推進を求める自由市民の会代表です。

まず冒頭に、いまだに千葉県などで不自由な被災生活をされている方々に、改めまして心よりお見舞い申し上げます。

要件は2件です。

1件目。東京新聞が、9/18付の社説でとんでもない記事を書きました。
都合の良いデータの切り張りはもとより、研究現場を疲弊させて、研究者なら誰でも苦々しく思っている財務省の「研究の選択と集中」の理屈を持ち出し、安全保障技術研究推進制度を見直せという主張をしています。
令和元年度安全保障技術研究推進制度の大学の応募数が最少だったのに気を良くした途端、国立天文台による安全保障技術研究推進制度応募容認ということに慌てたのでしょう。

この東京新聞の記事、安全保障技術研究推進制度による研究の論文が少ないから、予算を文科省に移管せよと、よく調べもせず暴論を記事に書いています。研究成果を論文にすることは研究者にとって最も重要ですが、行き過ぎた論文数だけの評価は逆に弊害を生みます。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019091702000148.html

論文が出やすい研究分野もあれば、そうでない分野もあります。一般的に、小規模の装置で何度も試験が可能な研究は論文になりやすいですし、試験が大規模で多額の費用が掛かる研究は論文が出にくいです。装備庁資金の研究は額が大きいため、後者のタイプの研究が多いと想像されます。

小額の研究費で論文になる研究、多額の費用が必要となる研究、科学技術の健全な発展にはどちらも必要です。費用対効果で後者を切り捨てれば、科学技術の発展は歪な形になります。分かりやすい例が韓国のフッ化水素です。広範な基礎技術が未熟だと、自国の半導体生産に支障が出たりするのです。

東京新聞は、装備庁資金の研究は論文が1本が3課題、0本が5課題と切り捨てています。
https://www.mod.go.jp/atla/funding/seika/h30kiyo.pdf 参照
装備庁資金に採択された時に、既に研究の積み重ねがあるものは論文が出やすいし、新規課題はすぐには論文は出ないでしょう。一方で、論文1本の3課題のうち2課題は、特許出願がそれぞれ共に9件あります。

なお、制度全体の研究成果一覧概要は以下です
https://www.mod.go.jp/atla/funding/seika.html

工学において特許は、論文と同じくらい重視されます。特許出願するとすぐに論文にならないのは当たり前ですから、こうした研究は今後論文が期待されます。他の研究課題についても今は論文査読中だったり、新規の論文投稿が出てくる可能性はあります。

素人記事による、都合の良い切り張り記事としか言えません。
表現を変えれば、平成27-30年度において、論文発表33件、特許出願件数44件という、なかなかの質と量の研究実績を挙げ続けているのがこの安全保障技術研究推進制度です。

この他、安全保障技術研究では、論文が7本と5本の課題がそれぞれ1課題ずつあります。一般的にこれは、論文の数としては多いと見なせます。東京新聞の論理なら、こうした課題には、特許出願が9件の研究と共に、より多くの予算を付けるべきでしょう。

東京新聞は、他の研究助成を受けた研究がどのくらい論文を出しているか?きちんと調査して、比較検討をしているのでしょうか?論文数は研究分野によっても出やすさが異なりますので分野ごとの比較も必須です。それを抜きに研究を論じるのは、日本の科学技術の発展を阻害させることになります。

東京新聞の記事です。
『財務省は論文の生産性という言葉を使って大学の研究費を抑え、研究テーマや配分先の選択と集中を図っている。その論理からすれば安全保障技術研究こそ見直すべきだろう。』
選択と集中が学術研究を歪めていると言います。東京新聞は財務省の方針を支持するのでしょうか?

2点目。大学への意見書送付・署名改定・教員先生方への一斉メールは延期します

度々申し訳ございません。遅延をきたしております。
当会に、新進気鋭のスタッフが加入し、貴重で斬新な意見を頂いております。
根本から見直す必要が出てきたためです。

今しばらくお待ちくださいませ。

今後ともよろしくお願いいたします。

代表

*2大署名を今後ともよろしくお願いいたします

①「すべての国公立大学は、防衛研究(軍事研究)の自由を保障してください」  
http://chng.it/66tVw6rZ
②「日本学術会議は防衛研究(軍事研究)禁止声明を撤廃、ガイドライン・倫理規定・審査規定の策定を中止し、全大学に防衛研究の自由を保証するよう勧告してください」  
http://chng.it/cSJq7nbq

他の署名への署名・拡散のご協力もお願いいたします。
Twitter
https://mobile.twitter.com/YesDefenseStudy
ホームページ
http://yes-defense-research.org/
ご提言・情報・ご意見・アイデアなどは、お気軽に下記のアドレスまでメールください。今後の運動の参考にさせていただく場合もございます。
メール info★yes-defense-research.jp (★を@に変えてください)

以下報道記事

https://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2019091702000148.html
2019年9月17日
国立天文台が軍事応用可能な基礎研究の公募制度に応募するかどうかで揺れている。防衛省が四年前から始めた制度だが、応募が減少し、今年は再募集するほどで、曲がり角を迎えている。
防衛省は二〇一五年度に安全保障技術研究推進制度を創設した。近年、軍民両用技術が広がり、大学などの研究者と研究成果を取り込むのが狙いだ。
しかし、戦争の反省から一九五〇年に日本学術会議は「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」という宣言を発表。同制度についても、懸念を表明する声明文を公表した。「応募しない」と決めた大学も少なくない。
天文台も三年前に教授会議が同制度に「応募しない」と決めた。だが、七月の教授会議で執行部が方針の改定案を示したことが、本紙の報道で明らかになった。
同制度はスタートの二〇一五年度は予算三億円で、百九件の応募があったが、翌年は予算六億円で四十四件に激減。一七年度から予算は百億円超になったが、応募は百四件、七十三件、五十七件と減少傾向が続く。中でも最大で五カ年、二十億円の研究費が付く大規模研究課題は本年度、大学や公的研究機関からの応募はゼロ。防衛装備庁はウェブサイトで、二次募集を始めた。
サイトには研究成果の概要も紹介されている。一七年度終了の研究課題十一件を見ると、総額で一億円を超えるものが六件あるが、論文の発表実績は一件が三課題、ゼロが五課題もある。
財務省は論文の生産性という言葉を使って大学の研究費を抑え、研究テーマや配分先の選択と集中を図っている。その論理からすれば、安全保障技術研究こそ、見直すべきだろう。
天文学は基礎研究の最たるものだ。今年一番の成果は四月に発表されたブラックホールの写真である。南極大陸や南米チリなど世界の八つの電波望遠鏡が連携して成功した。記者会見は世界同時で、日本でも行われた。
今月初めには米IT企業の創業者らが創設したブレークスルー賞(賞金約三億円)の受賞が決まった。受賞者の中には国立天文台の本間希樹教授ら日本人研究者約二十人が含まれている。国際的な研究で主役を務めることも重要なことではないだろうか。
安全保障研究予算約百億円を文部科学省の研究費増に充てる。そうした政策の切り替えが必要だ。

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